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手のしびれ

病歴

48歳男性、サービス業

一週間前より起床時に手のシビレを感じている。
朝の寝起きと、夕方が一番酷く痛みも感じている

日中は比較的症状は治まっているが、完全
に消える事はない。
又この痛みを怠くうずく様だと表現している。

肩こりや眼精疲労を以前より感じており、本
人はゴルフが原因と感じている。
この症状が発症時、整形外科にてX線検査を
したところ異常は見つからなかった。

又家族歴より、父親に頸椎ヘルニアの治療
歴ああり。


臨床

シビレ感が最も強い部位は、母指と小指以外の3
指(示指、中指、薬指)の腹側・背側、手掌および手背、そして前腕の外側部と上腕後部である。また、症状は異常感覚のみで運動機能の障害は無い。患側上肢をだらりと垂らし、頭を患側に側屈もしくは過伸展しながら側屈すると症状が増悪する。撮影したX線では、わずかな椎間板の膨張がC4/5,C5/6にみられるが、椎間板変性疾患の徴候は画像上には認められないとの事。

小胸筋の緊張を緩和させると一時的に上肢のシビレ感が消失する。肩甲挙筋でも同様な緩和が見られる。症状から察するとデルマトーム (皮膚分節)のC7神経根レベル。もし正中神経ならば、上腕には影響は及ばない。特に上腕と前腕の後側に発現するのは橈骨神経となる。

エデン検査をすると、症状が再現されることから胸郭出口症候群とも疑われる。これは腕神経叢が胸郭出口部分で絞扼されるもので、複数の末梢神経レベルに影響を及ぼしうる。ただし、頚部の傾倒によって顕著に症状が起こることから、神経根レベルでの障害が最も考えられる。

知覚低下などの感覚鈍麻は、通常デルマトーム領域に沿って現れるが、錯感覚、痛みはぼんやりと広がる。神経根障害には、血流障害の問題も大きく関与していると思われる。神経根障害に伴う うずくような痛みは、神経根内や脊髄神経内にある再生中の軸索が出している知覚過敏および自発的活動によるものかもしれない。

まず患者に能動的に患側手掌を頭の上に乗せてもらう。これで放散痛が消失すれば神経根症の可能性がある。次に、頭を左にいっぱいに回旋し、そこから伸展そして屈曲してもらう。右も同様に行う。症状の再現があれば椎間孔での神経根圧迫を疑う。次に患者の頭上に両手を置き、頚部に下方向への力を加え、頭を左右にゆっくりと回旋させる。症状の再現があれば陽性とみなし、椎間孔での神経根圧迫を疑う。今度は頚部を患側に側屈させ、下方向への力を加え症状の再現をみる。そして、患者の顎関節に気をつけながら、頭部を上方向に牽引し、症状の軽減や消失を調べる。

本ケースの場合、上記テストは全て陽性であった。

C7神経根症の場合、上腕三頭筋の伸張反射は減弱・消失するが、C6神経支配筋である上腕二頭筋と腕撓骨筋の伸張反射は保たれるという点。C7神経根症と似ているものとして、撓骨神経絞扼障害があるが、絞扼が腋窩でない限り上腕三頭筋の伸張反射は保存される。

以上の点よりC7神経根症のものの可能性が高いと判断、現在4回目の施術にてシビレ感は消失、若干の感覚異常が薬指の先端に時折感じる状態である。





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